夜歩き

何となくバイト帰りに自転車に乗ってあちらこちらをゆっくりと回ってみる。
たぶん良い夜だと感じた所為だろう。先ほどまで僅かにぱらついていた雨の匂い。気温は高くもなく低くもなく。風は多少強くとも冷たくはなく。薄雲の向こう側にぼんやりと見える月。近所の神社の灯篭の明かりと木々のざわめき。しまい忘れたのだろう、どこからともなく聞こえてくる季節外れの風鈴の音。
田舎であるため人通りなどまるでなく、世界で一人自分だけが取り残されたような感覚。
そして少し、本当にほんの少しだけだけれども、この世界がどこまでも続くのならばそれも良いかなと思ってしまう自分。
最近ではめっきりと使わなくなったかつての中学への通学路を通って母校に向かってみる。
旧体育館と呼ばれていたものが取り壊されて、新たな校舎が出来上がっていた。他も随分と変わったように見受けられる。
卒業して既に十年は経過していると云うのに今更ながらにここは既に自分の居場所ではないのだと思い知らされる。さして楽しい思い出などなかったのだけれども。
ゆっくりとゆっくりと、それこそ歩くような速度で自転車をこいで家へと帰り着く。
先ほどまで在った薄雲はいつの間にか散ってしまい、月はすっかりとその姿を現している。
庭先にて座り込み暫しの間その月を呆っと眺める。



んん〜何だかな〜思った事なんでも書きゃ良いってモンじゃないですね。センスなさすぎ。
でもまぁ少しそう言う気分だったもので。